2014年度第2回関東支部例会受賞講演シンポジウム「ユニークな酵素の研究の最前線」は、11月29日土曜日に、東京工業大学すずかけ台キャンパスすずかけホールにて開催され、あいにくの雨にもかかわらず、多くの皆様にご参加いただきました。(参加者73名)

 須貝支部長の挨拶に始まり、2014年度農芸化学奨励賞を受賞された 沼田倫征氏(産業技術総合研究所バイオメディカル研究部門)による講演「tRNA転写後修飾メカニズムの分子的基盤解明」では、最新のご研究をわかりやすくご紹介いただき、会場からもたくさんの質問がありました。

 休憩ののち、4名の先生方にご講演を頂きました。最初に、桐村光太郎先生(早稲田大学先進理工学部)に、「可逆的脱炭酸酵素を利用した酵素的Kolbe-Schmitt反応による有用芳香族化合物の生産」と題して、可逆的脱炭酸酵素の研究成果をご紹介頂き、新たな有用化合物生産バイオテクノロジーの可能性について、詳しくご講演頂きました。続きまして、八波利恵先生(東京工業大学大学院生命理工学研究科)に、「高度好塩性古細菌のカロテノイド生合成に関わる酵素群」と題して、高度好塩性古細菌であるH. japonicaにおけるカロテノイド生合成に関わる酵素群を特定された研究成果を発表して頂きました。休憩をはさんで庄司満先生(慶応義塾大学薬学部)に、「生体触媒を活用した生理活性化合物の合成」と題して、生理活性化合物を環境への負荷が少ない生体触媒を活用して合成する方法についてご紹介頂きました。最後に、廣瀬芳彦先生(天野エンザイム株式会社岐阜研究所)に、「ユニークな環境下での酵素の産業利用」と題して、酵素のダイエタリサプリメントや染毛剤としての産業上の利用についてご紹介頂きました。どの講演も大変興味深い内容で、参加者からも多くの質問があり、大変内容の濃いシンポジウムとなりました。

 例会終了後は、東京工業大学すずかけホール2階の季の味ガーデンにて、演者の先生方をお招きして懇親会を行いました。講演についてのディスカッションや情報交換が行われ、シンポジウム参加者同士の交流を深めることのできた会となりました。

(松田知子)

会場の様子

講演・懇親会の様子

 

 

 

案内ちらしのPDFファイル

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