日本農芸化学会関東支部2016年度企業イベントパート2~企業研究員からのメッセージ~が、2017年2月18日(土)に日本獣医生命科学大学第一校舎E棟1階講義室で開催されました。

 本イベントでは、企業の第一線で活躍中の若手研究員を講師としてお招きし、就職活動を控えた院生・学部生に対して、若者の未来をエンカレッジする講演を行います。関東支部内には農芸化学の関連企業が数多くあることから、昨年度より規模の異なる企業で二つのグループを作り、秋と冬の2回実施しています。本年度の企業イベントパート2では、高砂香料工業、協和発酵キリン、帝人ファーマ、花王、日清製粉グループ本社、味の素、アサヒビールの7社よりご賛同を頂き、関東の学生38名が参加しました。

 講演は企業紹介、自己紹介、研究紹介、研究員の一日と休日の過ごし方、会社を選んだ理由、学生への期待やアドバイス等々、興味深い話が満載で、学生にとって有意義で実りある講演内容でした。
 その後のパネルディスカッションのセッションでは、学生からの数々の突っ込んだ質問に対して、講師一人ひとりより本音の回答をいただきました。

 引き続き、講師と学生の参加者全員が学内の生協食堂に移動し、西村支部長の発声で乾杯し、盛大に懇親会が行なわれました。懇親会では、学生の皆さんが講師を取り囲み、普段聞けないことなども含めて、積極的に質問していました。講師の方も熱心に答えて下さり、本年も大盛況のうちに企業イベントパート2を開催することができました。

 本イベントは企業の講師と学生のみのフラットな関係なため、双方が遠慮なく、自由に交流ができることが大きな特徴です。参加した学生から次のような感想をいただきました。「就活に向けて大きな勇気を貰った。」「大変有意義な時間を頂いた。」「企業研究の面白さを知った。」「講師の方からのアドバイスを就職活動の参考にすると共に、現在の研究により力を注いでいきたい。」「自分たちの農芸化学で学んだ知識が生かせる分野の広がりを感じた。」 「企業で実験をしてお金をもらえたら嬉しい。」
 一方で講師の方も、「学生から元気をもらった。」「初心に返って気持ちを新たにした。」「他の講師の話を聞いて刺激を受けた。」等の感想をいただきました。

 参加した学生の皆さんならびに講師の方の全員が満足いただき、有意義なイベントを提供できたと思います。

(福田和郎)

当日の講師と演題

1.河野正晴 (高砂香料工業株式会社 研究開発本部 フレーバー研究所)
生化学的手法による香料開発
2.大室繭 (アサヒビール株式会社 酒類技術研究所)
アサヒビールの酵母研究 ~うまいビールをつくる、守る~
3.日比谷健太(帝人ファーマ株式会社 創薬探索研究所)
帝人ファーマにおける創薬研究
4.福田潤 (協和発酵キリン株式会社 生産本部 バイオ生産技術研究所)
協和発酵キリンのモノづくり ~農芸化学とバイオ医薬品~
5.西岡由紀 (花王株式会社 ヘルスケア食品研究所)
花王での研究開発活動 ~私の事例紹介~
6.新保和高 (味の素株式会社 イノベーション研究所 基盤技術研究所 分子構造研究グループ)
明日が楽しくなる!? ~分析化学研究者から見た企業研究の面白さ~
7.仲西由美子 (株式会社日清製粉グループ本社 基礎研究所)
食品の基礎・応用研究の魅力 ~パスタの品質や美味しさに迫る~

会場の様子

支部長挨拶

講師の方々

パネルディスカッション

参加者全員の集合写真