2015年10月31日に、明治大学生田キャンパスにて第14回微生物研究会(代表者前田理久准教授)が行われた。講演者は4名、ポスター発表は50名以上、参加者は200人以上に及ぶ、非常に大きな会合となった。また、学部学生から大学院生、ポスドク研究者、シニア研究者と多様な参加者によって研究会は行われた。

 発表では、まず明治大学より小山内がシアノバクテリアを用いた代謝工学についての発表を行った。特に転写制御因子を用いた代謝改変という新しい方法論について重点を置いて発表した。
 二番目の演者は、株式会社ユーグレナより、中島先生にご発表して頂いた。中島先生は、株式会社ユーグレナ設立の歴史から、現在行われているワックスエステルを用いたジェット燃料生産について、詳しい説明をして頂いた。
 三番目の演者は、北海道大学工学研究院の門屋先生にご発表して頂いた。門屋先生は、バイオプラスチック原料となる代謝産物の遺伝子・代謝工学についてご発表して頂き、特に大腸菌の形態が変化するユニークな結果についてご紹介頂いた。
 四番目の演者である法政大学生命科学部山本先生は、「細菌の金属恒常性に関わるゲノム機能を用いた応用研究」という演題でご発表をして頂いた。金属は、細胞に必須な因子であるが、多様であるがゆえ、成分分析やシグナル伝達も複雑であるが、山本先生は細胞に必須な金属の種類という基礎的な結果から、シグナル伝達という先端的な結果までをご説明して頂いた。

 今回の研究会では、ポスター発表を2回に分けて、合計3時間という長い時間行った。これによって、すべてのポスター発表を見ることができる十分な時間が得られた。学部生、大学院生も非常に活発に研究討論に参加する様子が見られ、学生の教育という面からも非常に高い効果が得られたと考えられる。

 最後の研究交流会は、明治大学生田キャンパスの食堂にて行われた。オーガナイザー、講演者を始め、来場の方々と心置きなく歓談しながら、研究の議論行われた。今後の研究協力関係の構築に対して非常に大きな意義を有すると思われる。

 以上の通り、第14回微生物研究会は、大盛況のもと、大きな混乱もなく行われた。次回は日本大学で行われる予定である。本会は日本農芸化学会関東支部および応用微生物学・分子細胞生物学研究奨励会の支援のもと、行われた。手厚いサポートにつきまして、深く感謝申し上げます。

(小山内崇)