2013年度関東支部第一回例会は、7月6日(土)に東京農業大学世田谷キャンパスにて13時より開催されました。梅雨明けの猛暑の中、120名を超える参加者を迎えることができました。
受賞講演に合わせ、微生物をテーマにシンポジウムを行いました。非常に幅広い分野の中で、いろいろなトピックスが聞けたと好評をいただきました。開催にあたりご協力を頂きました皆様に深く感謝申し上げます。

 まず、2013年度農芸化学奨励賞を受賞されました、小川哲弘氏(「tRNAを標的とする毒素に関する研究」東京大学大学院 応用生命工学専攻)、西本完氏(「ビフィズス菌のオリゴ糖代謝機構の解明および代謝酵素群の高度利用に関する研究」(独)農研機構 食品総合研究所)の2名の先生による受賞記念講演を行いました。両先生には、受賞対象となった研究内容について分かりやすくかつ詳細にご紹介頂きました。また、会場からも積極的な質問がありました。

 休憩をはさんで、シンポジウム「微生物機能の解析と応用への展開」と題して4名の先生方にご講演を頂きました。
まず、佐々木康幸先生(東京農業大学 応用生物科学部)に、「放線菌の窒素酸化物生産機構と生理的意義の解析」と題して、窒素酸化物の新規機能についてご講演いただきました。続いて、加藤千明先生((独)海洋研究開発機構 深海生態系研究チーム)に「深海に生息する好圧性微生物における酵素の高水圧環境下への適応戦略と環境問題への適応」と題して、分子レベルでの耐圧機構についてご講演いただきました。普段接することのできない環境の研究であり、参加者も興味津々でした。短い休憩をはさんで、柘植丈治先生(東京工業大学大学院 総合理工学研究科)に「微生物ポリエステル生産とR特異的ヒドラターゼの利用」と題して、応用面に直結した研究成果をご紹介いただきました。そして、最後に千田俊哉先生(高エネルギー加速器研究機構 構造生物学研究センター)に「ピロリ菌がんタンパク質CagAの構造と機能」と題してご講演いただきました。まさに、分子の形をもとにピロリ菌の作用機構解明につながるご発表でした。限られた時間ではありましたが、各ご講演に対し活発な質問があり、非常に有意義なシンポジウムでした。

 例会終了後には、大学の校友会館(グリーンアカデミーホール)で懇親会を行いました。シンポジウム中では時間が足りなかった分、演者の先生方とのディスカッションに加え、参加者同士また学生も加わり積極的な情報交換が行われました。

(報告者:矢嶋俊介)

会場の様子

須貝威・関東支部長の挨拶

小川哲弘氏の受賞講演
 

西本完氏の受賞講演
 

シンポジウムの様子

案内ちらしのPDFファイル

reikai2013-1